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「あわわわ…でもでも…ちゃんとこれでも測ったのです…グ…グラム単位もしっかり計って…1297Gなので…きょ…協定規定の繰り上げで…」
その言葉にカウンターに拳を振り下ろす大柄の大男
「んなわけあるかぁ!これだけ魔石を集めてたったの1300Gだと!?計算狂ってるんじゃないのか!?」
威圧に大きな兎の耳が度々跳ねる受付の女の子
カウンターにある魔石との換金で揉めている様だった。
当然周りもこの光景に気付いては居たが、相手が大男故に見てみぬ振りをする。
「…ヨシュアさん、ちょっと待っててくれます?」
「あいよ、ごゆっくり」
涙目になり怯える兎の女の子
そこに割り込む様に横に並んだ
「何か不手際でもございましたでしょうか」
「あぁ!?不手際なんてもんじゃねぇ!あんたこの量の魔石見てみろよ!これでたったの1300Gって言うんだぞこの小娘!新人か!?」
威圧があっても何一つ変わらないミスト
経験が違う、というのが全員でわかった。
「しかし魔石の換金は変動します、それに量の計りに関してはこの代々伝わる天秤を使っております、誤差もありえませんよ」
威圧に微動だにしないミストに舌打ちをする大男
あれやこれやと言わんばかりに罵声をやめない
「俺達の魔石のお陰でお前達の家の灯りや火を起こしたり生活に役立ってるんだろうが!ちょっと少しぐらい…!」
ミストの横で最初に対応していた兎の女の子が涙目で怯えている
そこにヨシュアが歩み寄った
「なぁ嬢ちゃん、これ換金してくれねぇか」
茶色い布袋に入れられた緑に光る数個の魔石大きさも様々だ。
「三日前と換金率変わってねぇはずだから、確か2280Gのはずだ」
「は…はぃなのです!」
大男の隣に割り込み堂々と換金をするヨシュア
天秤であたふたと計算をする兎の女の子
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