参章 妖狐の願い

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 「そういえば、三田さん元気そうだった?」  ふたりで食卓を囲み、もぐもぐと口を動かしていれば、唐突にそう尋ねられた。  三田さんというと、先ほど三門さんに頼まれて回覧板を届けたお家の人だ。  「ずっと体調を崩されていたみたいだから。一人暮らしだし、少し気になっていて」  首を捻りながら先ほどの事を思い出す。  実を言うと、三田さんの家へ行く前に三田さんと偶然出会ったのだ。  『こんにちは、うちへ何か用かな?』  三田さんの家へ向かう途中、一本道を歩いていると後ろから声をかけられた。  癖のある髪が印象的な三十代くらいの男性が立っていた。  男性は一本道の先を指さす。  『この先、僕の家しかないから』  『あ……回覧板、頼まれて』  『ああ、そう言うことか。わざわざ遠くまでありがとう』
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