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「……完全に分かっていたわけじゃないよ、憶測でしかなかった。君たち兄弟のことはよく話に聞いていたから」
顔をあげた芲埜祈は苦笑いを浮かべていた。
全てを押し殺したような目で私たちを見据えると、座布団からずれて畳に手を付き深く頭を下げる。
「申し訳ございませんでした。私の勝手な意思で、大切なことを隠しておりました」
芲埜祈はゆっくりと頭をあげる。
「魑魅の正体は、私の兄弟です」
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