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社頭に出て、御神木のもとへと向かう。
いるだろうと思っていた姿は、そこにはなかった。探す場所を変えて、表の鳥居を下まで降りてみたりしたがやはり姿が見当たらない。
本殿や神楽殿は三門さんの許可がなければ立ち入ることができないから、そこにはいないはずだ。ならばどこへいったんだろう。
御神木の根元まで戻ってきた私は深くため息を零す。
その時、刺すように冷たい風がびゅうっと吹いて、御神木の葉っぱが強く揺れた。
風に煽られて落ちた緑色の葉っぱは、不自然に私の目の高さで止まる。
目を見開いてそれを見ていれば、ふよふよと漂うその葉っぱが同じ高さのまま私の前を進んでいく。
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