壱章 結守の社へ

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*  「わ、私がっ……お母さんを、傷つけようと、したんです」  言葉に詰まりながらも、すべてを話し終えた。  未だに膝の上の手の震えが止まらず、力を込めて握りしめれば、うっすらと血が滲む。  その手をぼんやりと見つめていれば、すっと横から別の手が伸びてくる。その手は私の手をそっとなでて、握っていた掌を解かせる。  「『痛いの痛いの、飛んでいけ』」  掌がじんわりと熱くなって、傷がみるみるふさがっていく。はっと顔をあげれば、目を弓なりにして微笑む三門さんと目が合った。  「『何か力になれるかもしれません』って、手紙に書いたよね」  俯くように頷けば、三門さんは力強く私の手を握りしめる。
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