弐章 天狗の初恋

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 三門さん自信作の美味しい卵焼きを頬張りながら他愛もない話をしていると、三門さんが「あ」と何かに気が付いたように声をあげる。  私の後ろの方の一点を見つめていて、不思議に思いながら振り返るとシンプルなカレンダーが壁に掛けられていた。  「麻ちゃん、大変だ。僕、恐ろしいことに気が付いてしまったよ」  私が首をかしげれば、三門さんはカレンダーを指さす。つられるようにもう一度振り返った。  「来年の節分は、日曜日だ……」  深い溜息を零した三門さんに、私は頭の中にクエスチョンマークを浮かべる。
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