弐章 天狗の初恋

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 「これで一安心、届いたら急いで御祈祷して袋に詰めないとね」  そう言って私の隣に腰を下ろした三門さんは、そばに置いていたホッチキスを取ると早速作業に取り掛かった。  三門さんのその横顔を、チラチラと窺っていると、ふと目線をあげた三門さんと目が合ってしまった。  「ん?」と首を傾げる三門さん。慌てて視線を泳がし、手元のホッチキスをかしゃかしゃと動かす。  「気になることでもあるのかい?」  そう尋ねた三門さん。  『だから大丈夫、麻ちゃんは誰も傷つけない』  昨日の三門さんはそう言った。けれど、やっぱり言葉を発することに怖さがあって、きゅっと唇を結ぶ。
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