弐章 天狗の初恋

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 「もしかして、言霊の力のことが知りたいのかな?」  「な、んで……」  無意識にそう呟き、はっと口元を押さえた。  「なんで、かぁ……。僕も麻ちゃんと同じだった時期があったから、かな」  思わぬ返答に目を瞬かせた。  「麻ちゃんと同じようにこの力の恐ろしさを知って、全く話せない状態が一年続いたんだ。だからなんとなくだけど、麻ちゃんの言いたいことが、分かる気がするんだ」  眉を下げて肩を竦めた三門さん。眉間に皺を寄せていると「そんな顔をしないで」と、困ったように笑う。  「今では、そのことに気が付けて良かったと思ってるんだ。過去には、最後まで気が付けないで、悲しいことになってしまった人もいるんだよ」
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