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弐章 天狗の初恋
「あ、おはよう。麻ちゃん」
朝。身支度を整えてから台所に顔を出せば、卵焼きを器用にくるくると巻いている三門さんが声を掛けてくれた。
小さく頭を下げると、三門さんはニッコリと笑う。
「うん、おはよう。そこのお盆、居間に運んでもらっていいかな」
ごはんが盛り付けられた茶碗と鮭の塩焼きが乗ったお盆を指さした三門さんに、慌てて頷きそれを手に取る。
「あ、そうだ」
おもいだしたようにそう声をあげた三門さん。首を傾げながら振り返る。
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