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“美咲ちゃんももう中学生だし、お年玉は美咲ちゃん五千円、春樹くん二千円にしますか?”
打ち込んだ私のLINEにはすぐ「既読」が付いた。
“ありがとう。でも姉弟でケンカになるといけないのでどちらも二千円でいいです。こちらも莉奈ちゃん、玲奈ちゃんには二千円ずつ渡しますので”
義姉の葵さんからはほぼ予想通りの回答が来た。
“分かりました。こちらも同じ分用意します”
今度は「既読」が付くだけで返信はない。
クリスマス翌日の12月26日。実家に帰省して顔を合わせる前の最後のやり取りだ。
互いに子供が生まれてから毎年恒例の「お年玉談合」だ。
お年玉を渡す側になると、お歳暮や香典などと同じく「極力、両家で等価交換に」という発想になる。
相手より安いのは失礼だが、高くても負担を与える。
だから、我が家ではセーラー服の中学生でもベビードレスの〇歳児でも渡されるお金は一律二千円。
「お年玉」という名の未成年人頭税のようなものだ。
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