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座らされたまま、手錠を壁の器具に繋がれ手を上に上げられる
そして布を口に咥えさせられ、更に布を巻かれ二重に後ろで縛られる
こういう措置を取るときは、決まって毒薬の効果が強力なとき
ルーノ「んっ」
一気に体が重くなり、力が入らなくなる
「脱力確認」
白衣の人達は変化を事細かく観察している
そうしてしばらくすると、苦痛の時間が始まる
最初は少しかゆいと思っていたら、体中が内側から痒くなってきた
ルーノ「ん"ーッんん"!!」
口の中も、目も、手も足も喉も全部
内側からのかゆみに、絶叫した
拘束されていて、かくことも許されず地獄の時間を過ごした
「ーー5時間56分、発作終息。10回の気絶と3度の死、後半朦朧有り。終了後の観察では、視点が定まらない様子」
夢を見ているように、その言葉を聞いた
拘束具も全て外され、そのまま地面へ倒れ込んだ
白衣の人達はというと、いつものように牢屋から去っていく
今回のは、今までで一番辛かったかも
でも、内側から溶けるような激痛も辛かったな
なんて、だいぶ僕は毒されてる
いつかお父様が言っていた
僕は"死ねない体だ"って
…死にたいよ
もうこんな苦痛はイヤだよ
誰も助けてくれない、何度も死の恐怖と苦痛を味わなきゃならない
忘れようとしても、すぐに思い出してしまう
ルーノ「…死にたい」
気付いたら、僕の目は光を移さなくなっていて、伸ばした手を誰が握り返したなんて分からなかった
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