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一人あたふたとしていると、スーノが戻ってきた
スーノ「どうしたんだ」
「ルーノ様が、女王様の大切にしていた花の種が植えてある花壇を…」
スーノ「そうなのか、ルーノ」
ルーノ「え、うん」
スーノに少し違和感を感じた
「どうかしたのですか」
「あっ女王様!」
運悪く、そこにお母様が通りかかってしまった
庭師が事情を説明すると、お母様は眉根を寄せこちらをみる
母「なぜ、このようなことを?」
ルーノ「えっと…スーちゃんが一緒に」
スーノ「僕に責任を押しつけようとするなんて、ほんとに愚弟だな」
え?
スーノ「まずはお母様に謝罪の言葉を言うのが普通だと思うが」
ルーノ「え、と…申し訳、ありません。お母様」
母「…まだ種は幸いにもあります。植え直しておきなさい」
ルーノ「はい…」
お母様、怒ってる
また嫌われちゃった
スーノ「無様だな。まぁ僕と違ってお前は暇を持て余してるんだし、仕事ができて喜ばしいだろう。植え直し終わるまで、庭からでるなよ」
スーちゃんはそう言うと、行ってしまった
…そういえば、スーちゃん僕のこと嫌いなんだっけ
よく嫌がらせされてたし、嘘もつかれてた
最近はスーちゃん忙しいから顔を合わせることすら久しぶりだったんだ
たくさん嫌がらせはされるけど、スーちゃんは大切な家族
だから、今日みたいなことをされても僕はスーちゃんのことは嫌いになれない
種をもらい、庭師にやり方を教えてもらった
土を全部入れ替えるところからやるように言われ、さっそく取り掛かる
スーちゃんの指示通り、僕が全て一人でやるみたいだ
土をなんとか全部入れ替えた所でポツポツと雨が降ってくる
もう夕刻ということもあり、当たりは薄暗くなっていた
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