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「で、なんでその武将達がミニ武将になって私の前に現れたわけ」
ここが一番重要な事なのだが、佐助の返事は知らねぇの一言。
自分達がすでにこの世にいない人物であることは知っているようだが、突然こんな姿になり私の部屋に現れた理由はわからないらしく、ただ皆の記憶にあるのは、あのメールを送った記憶のみだという。
「でも、私がもらったメールは一通なんだけど」
「昨日の話は聞かせてもらったが、ここにいる武将達はアンタに手紙を送っている」
嘘をついているようにも見えないが、更に謎は深まるばかりだ。
だからといって自分のベッドの上で眠ったり宴会をされては迷惑なため、私は空き箱を用意すると、そこにタオルを敷き寝床を作る。
あっという間に完成した寝床箱を机に置くと、ミニ武将達が静かなことに気づき視線を向ける。
ベッドでは3人の武将が寝息を立て眠っており、この隙にと、一人ずつそっと作ったばかりの寝床に寝かせ、上に一枚掛け布団がわりにタオルを掛ける。
これでよしと思ったが、佐助の入るスペースがないことに気づき、もう一つ作ろうとする。
だが、俺はここでいいと言い、佐助は机の上に座る。
このままでは風邪を引くといけないため、せめてタオルだけでも使うように渡すと、佐助は無言のまま受け取りタオルを背中から羽織った。
机の上で眠れるのだろうかと思いながら、私は自室を出て夕食とお風呂を済ませ部屋に戻る。
箱の中ではぐっすりとミニ武将達が眠っており、箱の横では机の上に座り目を閉じている佐助の姿がある。
座りながら眠れるなんて流石忍びだなと思い見詰めていると、何か用かと声をかけられ、寝ているとばかり思っていたため驚いてしまう。
「起きてたんだ」
「気配で起きた」
忍びは気配だけでわかると何かで見たことがあるが、そっと部屋に入ったというのにわかってしまうなんて、やはり本物だけある。
その時、今日1日のことを思い出し、何故佐助は自分の護衛をしていたのか尋ねてみると、任務について話すわけがないと言われてしまった。
確か話では信玄が佐助に頼んだようだったが、いくら考えたところでわかるはずもない。
「明日も学校があるんだろ。寝たらどうだ」
「うん。そうだね」
またお母さんに怒鳴られ起こされるのは嫌なため、今日は早く寝ようと何時もより早めに布団に入る。
いろんなことが謎だらけだが、考えたところでこんな不思議な出来事の理由などわかるはずもないと諦め、その日は眠りにつく。
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