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才蔵にも眠る場所を作ろうとしたが、佐助同様机の上で眠るようだ。
信長、秀吉、光秀には、箱に布を敷、信玄達と同じ様に寝床を作り、才蔵には佐助と同じく布団がわりのタオルを渡す。
秀吉は、こんなところで信長様を寝かす気かとキーキー騒いでいたが、信長は逆に面白そうだと興味を示している。
こうしてミニ武将達が増えてしまったわけだが、これで美海が信長達から解放されるのなら安いもの。
それから翌日の朝、目を覚まし時計を見ると、またも遅刻。
今日は朝からお母さんがいないため、私は食パンを食べながら髪を整えると慌てて家を出た。
学校までの距離を走るが結局間に合わず、後から職員室に来るようにと言われてしまう。
そんな慌ただしい朝を迎え、授業を受ける中、ミニ武将達は大人しくしているだろうかと考えていた。
何といっても有名武将の揃い組。
いくらお母さんが今日から家にいないとはいえ、好き勝手暴れられてはたまったものではない。
信長達も一緒に暮らすことになったため、護衛がなくなったのは久しぶりの自由ではあるが、ミニ武将達にいなくなってもらうにはどうしたらいいのか考えながらお昼を迎え、美海と一緒に屋上でお昼を食べる。
「奈流、信長様達は大丈夫?」
「うん。刀も取り上げといたから大丈夫」
こんなこと相談出来る相手は美海しかおらず、私は美海に相談してみることにした。
どうしたらミニ武将達はこの世から去ることが出来るのか。
これが今の問題だ。
この事についての美海の考えは私と同じだった。
それは、ミニ武将達の未練を無くすこと。
手紙の内容と誰に宛てたものなのかわかれば、ミニ武将達の未練はなくなり、この世から成仏することが出来るかもしれない。
「やっぱりそうなるよね。でも、私は前世の記憶なんてないからね」
それしか方法がないのなら、調べるだけ調べるしかない。
下校時間になり、美海と一緒に図書室に寄ると、歴史の本を読む。
今まで歴史に全く興味がなかったため、こんなに歴史について調べるのは初めてのこと。
数冊の資料に目を通すが、それらしいことは書かれていない。
「なかなかそれらしいのはないね」
「だね。ごめんね、付き合わせちゃって」
「何言ってんの、これは私の家系の役目でもあるんだから」
美海に手伝ってもらいながら、下校時間ギリギリまで粘っていると、信長や信玄達の事が書かれている資料を見つけた。
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