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その日の学校でのお昼時間。
私は美海に自分が見た光景や佐助から聞いたことを話した。
結局今日は夢を見ることがなく、どうしたらいいのか相談してみる。
すると美海が一つのことを思いついた。
私が前世のことを思い出したり夢を見たりしたのは、図書室で資料を見てから。
つまり、前世で見たものが記憶を呼び起こさせている可能性が高い。
だとすれば、資料などではなく実物がある場所に行くのが一番だ。
「ありがとう美海!」
「いいわよ。それに、武将といえば私。丁度冬休みにもなるし、歴史巡りの旅に行くよ」
すっかり忘れてしまっていたが、美海は武将好き。
今まで武将や歴史に興味がなかった私には頼もしく見える。
こうして美海と前世を思い出すための手がかりを探す旅行をすることに決まった私は、その日家へ帰ると武将達にその話を伝えた。
美海と話し合って2泊3日の小旅行に行くことになったが、その間家にミニ武将達だけを残してはおけず、鞄に入れて連れて行くことに決まった。
それから数日が過ぎ、いよいよ明日から冬休みとなり旅行に行くわけだが、ミニ武将達と一緒になんて不安でしかない。
鞄の中で大人しくしているようにこの数日言い聞かせてはいたが、守るとは思えない。
とくに信長軍。
私は旅行の前日、リビングに佐助と才蔵を呼び、二人にミニ武将達の見張り役を頼んだ。
「その心配はねーよ」
「一応あれでも名の知れた武将達だからな。下手に騒ぎを起こすことはしねーから安心しろって」
その言葉に安心し、私は明日のために早く眠りにつく。
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