5話 残念な妖精

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再び悪顔登場。 シャルルは不敵に笑うとMpadから別の魔プリを起動する。 その魔プリは… □□□ 《レアボックス》 10~800グラムまでの物質をデータ化し摩プリサーバー内に保存する事が出来ると言われている。 1つの保存データ量は人間界で言うところの100Mbyte、総合10Gbyteのそこそこ大容量保管庫だ。 ただ注意は保存期間が使用時期から1年間となっていて、未使用超過後は自動的にデータは抹消されてしまう。 □□□ シャルルは摩プリ上で必要な物を検索にかける。 すぐさま結果が検出され《13Mbyte、チェルシー》と記された画面をタップすると、突如目の前に縦10㎝×横20㎝程の長方形のBOXが出現した。 シャルルが躊躇いなく箱の蓋に手を掛ける。 すると中から薄紫色の髪の束が出てきた。 その髪を握りしめると、BOXは煙のように消え、悪巧み顔のシャルルだけが残った。 “どんな便利な魔法も使う人によっては悪になる”、という良い例だ。 満足げな顔を見せるシャルルは待機状態でプカプカ浮かぶ《シーク》の顔に薄紫色の髪を近づける。 シークは髪を“クンカクンカ”すると、光の軌跡だけ残しあっという間に何処かに消えてしまった。 しかし、こんな事に使われるとは摩プリ開発者も悲劇だ。 本来はもっと世の為、亜人の為に活用してもらいたいと思っていた事だろう。 楽しげな顔でMpadを見つめるシャルルを俺は遠い目で見守った。
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