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「なんか失礼な奴だなー…。っていうかなんだって? エデンの王? なんで俺がそんな人に会わなきゃ行けないんだよ! さっきから勝手なことばっか言ってないで、さっさと俺を元の世界に戻してくれよ!」
「ふん、却下です! 残念ながらそれは即刻却下ですね。
君には拒否権などありません。この習わしは600年も前から例外なく実施されなかったことなどありませんので、悪しからず。」
ツインテ少女は一変してキリッとした表情を見せると流暢に説明を始めた。
だが、流石に理不尽極まりない内容に腸が煮えきりたったので少女に詰め寄る。
「ふ、ふざけんなっ! なんだ却下って! 俺の意見無視か!? 俺は人間だぞ、元の世界に戻せって言ってんだよ!」
「ユーマよ、何をもってしてもまず異界の者が王に謁見するのはこの国の掟。 その後は法に基づき、うぬの意見も聞き入れられよう。」
「っ……ちっ、わかったよ。じゃあさっさとその王ってのに会わせろよ!」
「やれやれ、シュートの言うことには素直なんですね~、まぁ良いです。こちらに来てここに手を置いてください。」
そう言って少し拗ねている少女の元へ近づき、恐る恐る電子パッドに右手を置いく。
その瞬間、パッド画面から青白い光が放たれ何も無い空間にホログラム映像が現れる。
そこには俺の全体像が映っていて、少女がパッドを操作する度、拡大縮小を繰り返す。
暫し少女の作業を見守っていたが、ドラゴンから質問が飛んできた。
「ユーマよ、ID登録準備をしている間にうぬに聞いておきたいことがある。
…我の他に巨大なドラゴンを見た事はないか?」
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