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「さて、ユーマ君。 ここからは僕と君の二人っきりになる訳ですが不平不満はありますか?」
「…………………いえ、特には(第一人称、僕って…)」
「えっ~っと、最初の長い沈黙が何かは敢えて尋ねませんが、問題が無いのであれば、時間も惜しいですし早速向かいますよ~。では、僕の手を握って下さい。」
結構ねちっこいく、正直苦手なタイプだ。
しかし、いきなり手を握れとか言われて一瞬戸惑う。性格はむかつくが外見は良いので、ちょっと照れ臭い。
色々思う所はあるが、考える暇も与えてくれそうにない少女の目と、差し出された手に観念する。
(…や、やわらかい)
どんなに性格があれでも女子は女子だ。
近くにいるといい匂いがするし、手の感触がなんとも言えない。
しかし女子の手を握り慣れていない事が仇になる。
緊張で手汗が出そうだ。
だが少女は特に気にした様子もなく、突如驚愕の行動に出た。
バサァ バサァ バサァ バサァ
「?! おぉぉぉぉぉ!…と、飛んだぁぁぁぁぁ!」
「喋っていると舌を噛みますよ。」
少女は純白の翼を大きく広げ俺を空の世界へ引っ張っり上げる。
あっという間に島でも大き目な丘を超え、更に上昇すると、向こう側には雑木林の絨毯が一望出来る。
振り返ると最初にいた場所が随分小さく見える。
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