1話 漆黒のドラゴンとドS妖精

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「さてと、では本当に時間が惜しいので行きますよ。 手を置いてください。」 「分かった。頼んだぞシャルルさん!」 「はい、任せてください。この精神状態なら神殿もちゃんと受け入れてくれる筈です。 多分……」 「は? 多分てなんだよ、多分て! そこは絶対間違っちゃダメな所だろ? 案内係がそんな適当でいいのか?!」 「喧しいですね~、気が散るのでちょっとお口チャックしてて貰えますか~?」 再びヒートアップする。 (お、女の子じゃなかったら既に殴ってるところだ……つーか、この際殴ってやろうか!) 殺気ムンムンな俺を無視して、シャルルは水晶に掌を当てる。 すると呼応するように水晶は強い光を放出し始める。 シャルルは目を瞑り再び異界の言葉を放つ。 「こ、こら本当に頼むよ!俺を人間界にちゃんと帰してねシャルルさん?! だってまだ俺死にたく…ぃ……」 ピカーーー ユーマの切実な想いを乗せて二人は光の中に吸い込まれていく。 この先は身を清める為の神殿へと続く道。 ――の筈… 大事な事は何一つ説明されないまま半強制的に連れ回されるユーマであった。 ユーマの奇想天外ファンタジーストーリーはこうして理不尽に幕を開けたのだった。
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