2話 漆黒の聖者

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2話 漆黒の聖者

生命最後の楽園と謳われた【空中国家エデン】 その上空を自由に飛行する“漆黒のドラゴン”は一人の少年を送り出し住居に帰る途中だった。 ドラゴンの名前は【シュート】 齢1400年の超長寿生物で、エデンの“聖なる番竜”の一体である。 シュートはエデンに住まう異生物の中でも特に高い知能と、その見た目からは想像できない紳士的な精神を併せ持つことから【漆黒の聖者】という二つ名を王より与えられた珍しきドラゴンである。 そして、類まれな体力を持つ故に、5年に一度許される数か月間の眠り以外は、休むことなく異界から訪れる人間を目的地に運ぶという過酷な任務にあたっていた。
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