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1話 漆黒のドラゴンとドS妖精
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朦朧とした意識のなか、薄っすら視界に入って来たものは青い空間だった。
いつものように身体を起こそうと試みるが鉛のように動かない。
取り敢えず一度深呼吸してみる。
次第に意識が戻っていく。
「……俺、どうしてこんな所に…」
頭に手を充て考えてみる。
「身体がいってぇな」
背中に硬いモノがあたっているのに気付いた。
「ベッドじゃないよな…何処だここ?」
右腕が辛うじて動く。
その腕を前へ突き出す。
「感覚は、あるな…」
それから身体の動く部位を探し、ゆっくり姿勢を変える。
「くっ…」
漸く地に這いつくばる形まで持ってこれた。
我ながら情けない姿勢だ。まるで介護される年寄りみたいだ…
自分はまだ十代なんだけどなぁ…
必死に上体を奮い起こす。
そして、ついに周りを見渡せることが出来た。
――が、
「………う、うそ…だろ…」
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