5話 残念な妖精

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「あ!ほら、見てくださいユーマ君。 チェルシーがいましたよ!! なんて仕事が早い精霊なんでしょう、僕感動です! ここは何処でしょうか…? なんだか…煙で良く見えませんね~。」 興奮冷め止まないシャルルだったが、良く考えるとこれ盗撮なんじゃ…。 だが、摩プリ開発者もその辺りは考えているらしくあまりにもプライベートに直結する場合は制御がかかり精霊は目を瞑るようだ。 「あれ、どうしたんでしょう?画面が真っ暗になりました。故障でしょうか?」 心なしかホッとする。 女性のプライベートを覗き見するような趣味は無い。 これでシャルルも諦めが付くだろう。 「なぁ、シャルルさん。もういいだろ? 人のプライベート盗撮なんて趣味の悪いこと止めて、この辺り案内してくれよ?」 「おかしいですねぇ、こんな筈じゃ……この設定を変えて見たらどうでしょうか? う~ん、ダメですか~。では、ここは…」 「はぁ、残念過ぎる…」 思わず心の声が出てしまった。 諦めの悪さもピカ一の様だ。 不安しかないこの状況に困惑するばかりだ。
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