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ツインテの少女は何処から取り出したのか、現代的に言うと電子パッド(?)のような端末で俺のデータを開き何やら照合している。
そして、俺の質問を某お役所勤め職員の様に興味無しといった感じで雑に扱う。
「…………なっ、なんだよその雑な言い方」
「少年よ、すまぬな。こやつはいつもこんな感じでな。不安な気持ちもあろうが暫し我慢してやってくれ。」
「………不安というか不満なんだよね。
分かったけど、後でちゃんと説明してもらうからな。」
俺はツインテ少女に向けて言ったのだが、当の本人は全く反応を見せず、電子パッドと睨めっこをし続けている。
敢えてスルーしているのか、作業に集中しているのかは不明だ。
しかし驚いた事にドラゴンに頭を下げられてしまった。
恐ろしい顔をしている割にはちゃんと会話になる。
良く見るとその鋭い眼光に残虐非道さは一切感じられず、寧ろ知的で頼りがいがありそうだ。
ドラゴンの幻想的イメージとは大分印象が違うし、人間と一緒で話せば良い奴って事なのかもしれない。
俺は礼儀を持ったドラゴンに免じて大人しく待つことにした。
「さてと、“ユーマ”君。 早速ですが君にはこれからこの国の王、〝エデンの王”に会って貰います。
ですが、その前に………………その汚れきった身をしっかり清めて貰いますけどね~」
少女は俺の頭からつま先までを、汚物でも見るかの様に見据える。
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