暴き出されるもの

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「月夜と会う為だけに、あんな事件を起こしたのか!」 僕は遊間の手を振り払い、後ろに下がった。 「そうだよ。そうでもしなきゃ、彼に会えないじゃないか」 遊間はそれが当たり前だと言うような顔をした。 「あの事件の後、話していた相手、ツキヤでしょ? 彼を呼び出してよ」 「冗談っ…! 僕は月夜をもう二度と表に出さないことを条件に、表の世に出てきたんだ! アイツの好き勝手にはもう二度とさせない!」 「ヒドイ言い様だね。そもそも3年前の事件、ツキヤが動いたのは、キミのせいだって聞いたけど?」 「なっ!」 どこでそれをっ! …遊間はどこまで知っている? 「まっ、俺が知っているのは、キミが中学時代、イジメられていたことだけどね」 「あっ…」 遊間はニヤッと笑った。 「陽日は控え目ながらも優等生だったんだよね? でもそれを気に喰わない連中から、ひどいイジメを受けてたんだ。ご家族はそれを知って、キミを庇うどころか、逆に情け無いヤツだって、切り捨てたんだろう?」 「あっ…ああっ!」 眼を閉じると、次々と思い出してしまう。 …中学時代、入学したての頃はまだ良かった。 でも2年になると、周囲の態度は冷ややかなものになっていった。 僕の家族はみんなエリートの道を進んでいた。 だから僕も僕なりに一生懸命に頑張ってきた。 でも…。 頑張れば頑張るほど、友達は冷たくなっていく。 頑張っているのに、家族は認めてくれない。 そして…ボクが現れた。 僕を守る為に現れたのだと言って、ボクは…。
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