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現れし者
「ね、陽日。彼を呼んでよ」
「断る。僕はもう、彼を頼らないことを決めたんだ!」
「う~ん。困ったなぁ。陽日しか手掛かりがないんだよ」
「知らない! 僕はもう関係ないんだ!」
「…そこまでイヤがるなら、仕方ないね」
遊間は肩を竦め、ため息をついた。
「悪いけど、ムリにでも呼び出してもらうよ?」
ぞっとするほど冷たい目で僕を見る。
思わず出口に駆け出そうとしたら…。
「あっ…」
…例の、『人形』達が扉からゾロゾロ出てきた。
「ここで飛び降りても、自殺ってことになるよね?」
「遊間っ!」
僕が怒鳴っても、遊間は笑みを崩さない。
『人形』達は虚ろな笑みを浮かべながら、僕に近付いてくる!
希更さん達に連絡しようと、ケータイを取り出すと、
「押さえろ」
遊間の一声で、『人形』達が一斉に襲い掛かってきた!
「うっ…!」
あっという間に、僕は地面に押さえ付けられた。
「彼に連絡してくれるなら良いんだけど。警察はカンベンだなぁ」
僕の手から落ちたケータイを拾い上げ、遊間は操作し始めた。
「…ねえ、どれが彼に通じるの?」
ケータイには門馬さんと希更さん、そして数人の情報しか入っていない。
「もしかして、シークレットにしてる?」
「さあ、ね」
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