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苦しい息の中、僕は笑って見せる。
遊間の目が、僅かにつり上がった。
「陽日、俺はキミのことも気に入っているんだ。できれば傷付けたくない」
「こんなことをしといてっ、何を今更…」
「うん、そうだね。だから早く彼を出してよ」
急に恐ろしい顔付きになった遊間は、僕の上に乗りかかり、首を締め上げてきた。
「がはっ!」
「彼に会いたいんだ。会いたくて会いたくて、仕方ないんだ」
遊間の目は、苦しげに歪んでいる。
まるで恋焦がれているように…。
「彼が俺のことを知らないのが、苦痛でたまらない。会わせてくれるだけでいいんだ。キミに迷惑はかけないと誓えるよ」
「イヤっ、だ!」
それでも僕は頷かない。
「―そう。なら、仕方無いな」
遊間は片手を外した。
すると『人形』の1人が、遊間の手に、ナイフを持たせた。
「キミを傷付ければ、さすがに彼も出てこないワケにもいかないだろう? キミは彼に、大事にされてたんだし」
「やめっ…! ゆうっ、まっ!」
そんなことしたら、本当にボクが現れてしまう!
それだけは!
「最後のお願い、だよ? 彼に会わせて」
僕は唇を噛んだ。
それでも…それでも僕は!
「ダメだ」
ハッキリと拒絶した。
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