ランチタイム狂詩曲

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何度かの打ち合わせに 呼びつけられて駆り出され やっと終わった発表会・・・。 「ああ・・・面倒やったわ」 帰ってきてからテーブルに 携帯を置いた。 「昔に比べたら衣裳も地味ね」 そんなことを言いながら 母親が携帯の写真を見ていた。 「あら?」 「何?」 「藤森・・・さん?」 「うん、藤森のおじさんも来てたよ。  あのホールを借りるのに便宜を  いつも図ってくれるよ」 「藤森?」 父親が携帯の写る芝田先生と 藤森さんを見た。 「ああ、まだ続いてたんか・・・」 「続く?」 「あ・・・」 夫婦揃ってバツ悪そうに私を見る。 「もう大人なんやし、たまにしか  会わん人やから、話してええか」 「芝田先生は藤森さんの愛人さんなの」 ゲゲゲ!びっくりやった。 藤森のおじさんは堺では ちょい知られた会社経営者で 父親の同級生。 「藤森さんが結婚する前からの  仲やったんよね?」 「そうや・・・男と女の事情は  当事者やないと判らんけど  ・・・あれも一つの縁やろなあ」 「そうやねぇ・・・フフ・・・  ねぇ?鈴が眼鏡かけたとこ、  藤森さんにソックリ・・・」 母親が示した写真・・・。 「こっちの方が親子やな、ハハハ」 確かに・・・ソックリ・・・。
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