僕は、あの時、思ったんだ。

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僕は、あの時、思ったんだ。

 …――僕は、ある日テレビで講演する哲学者の理論を聞いたんだ。  誤解を恐れず言います。  最後まで静かに聞いて頂ければ必ず誤解は解けると信じています。  そう。  だからこそ私は誤解を恐れず言えるのです。  そうして、このお話は疑問を解き明かす為の思考的考察なのです。  では始めていきます。  まず言いたいのは、この世界を構成するものは二つであり主人公と脇役という事です。  そして主人公とはすなわち自分を指します。  たとえば、今、講演している私であれば、私という事になります。  もちろんこのお話を聞いてる方がいるのであれば、このお話を聞いている方がまた主人公と言えます。そしてそれ以外の方は全て脇役と言えます。つまりその他大勢は主人公を輝かせる為の脇役に過ぎないのです。この論理の大事な点なので敢えて繰り返します。  自分こそ主人公であり、その他は全て脇役。  これは間違いありません。  もちろんこれも繰り返しにはなりますが、誤解を恐れずに前提として提出します。  そうして何故、私が自分を主人公なのかと思ったのかと言うと。  私は子供頃からデカルトの方法的懐疑を知っており、自分の思い以外信じられるものはなに一つないという結論に達していました。方法的懐疑の詳しくは省きますが、この論理が、自分が主人公であり、他は脇役だという理論の始まりでした。  中世から続く思考的考察の帰結であります。  そうして時代は、情報化時代へと移ります。
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