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「任せる。店の奴に聞いたら、これで二人分の装飾品くらい作れるって言ってたからよ」
十分出来ると思う。子供の拳大くらいの立派な琥珀だし、切り取り方次第で色合いも綺麗だ。指輪の装飾でも、ブレスレットでも、剣帯の飾りでも十分の作れる。
でも、これを送ってくれる理由を知りたい。正直、心臓壊れそうなくらいドキドキしている。
「これで物ができたら、お前の家に行く。俺なりのケジメだ」
「それって……」
「実際に結婚は無理だが、その意志はあることをお前の家族にも示す。そのうえで、お前の道をちゃんと歩んでいけ。俺も俺の道をちゃんと行く。会えなくても、そいつが俺の代わりになるだろ?」
思った以上の言葉に、ドキドキと一緒に胸の奥が熱くなってくる。一緒に涙腺も緩んで、目頭が熱くて涙が出た。
「おっ、おい! 何泣いてんだよ!」
「あぁ、うん。凄く嬉しくて、感激しちゃってさ」
リッツは泣き笑ってグリフィスに抱きついた。
それにしても、この人はこの宝石の意味を知っているのかな?
琥珀の宝石言葉は「大きな愛」だってこと。
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