従者からのSOS

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★グリフィス  訓練中に呼び出しがかかるなんて珍しいが、いい事じゃないのも分かっている。呼ばれるままに騎兵府執務室を訪ねると、そこにはランバートとファウスト、それにシウスとウルバスがいる。  そして、普段は舐め腐った顔でリッツを弄り倒すルフランが今にも死にそうな顔をして、知らない男と一緒に座っていた。  ゾクッと、背に冷たいものが走った。どうしてルフランがいて、あいつがここにいない? あいつの身に、何か良くない事があったのか? 「グリフィス様……申し訳ないです」 「っ!」  その言葉が、よりグリフィスの不安を煽った。  話の概要を聞いて途方に暮れた。他国で行方をくらましたらしいリッツの足取りは分からない。だが、どうやら国境は越えていない。旅に同行した従者が念のために帝国側の関所で訪ねたところ、そのような特徴の人物は通っていないということだ。 「旅に同行していたのはリッツと、その兄のフランクリン、ここにいるアートという従者と、御者の男の四人で間違いないのかえ?」 「はい。御者のキーファは現地に残ってこの事をあちら側の騎士団に伝え、情報が入ったらすぐに早馬を出してくれる事になっています」     
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