ジェームダル入港(グリフィス)

5/12
363人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
 弱気だ、全部。だがどうしたって今は最悪を考えてしまう。俯いて、溜息を吐いた。 「大丈夫だよ、きっと。ダン達が動いてくれていると思うし、王様はアルブレヒト様だよ? 下手な事にはならなよ」 「……あぁ、そうだな」 「それに、天が味方してる」 「は?」 「風がいいし、潮もいい。二日、かからないかもしれない」  僅かに顔を上げて風を読むウルバスが、元気づけるように言う。グリフィスもつられるように上を向き、「そうだな」と呟いた。  ウルバスの読みは当たった。二日目の早朝、予定よりも半日くらい早く船はジェームダル王都へと到着し、沖合に停船した。  小舟でウルバスとランバートが船着場にある関所に向かい用件等を伝えると、それから二時間も経たないうちに港への寄港が許された。とても早い対応だという。  一艘目はグリフィスやウルバス、ランバートの乗る母船。その後ろには捕虜としていたジェームダル海軍の奴等が乗っていて、捕虜達は無事に港で身元の確認と引き渡しが終わった。こっちはトレヴァーとピアースが担当して話をしてくれることになった。  グリフィスとランバート、ウルバスはそのまま王城へと招かれる。そして直ぐにダン達ジェームダル組と、国王アルブレヒトと面会した。     
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!