ジェームダル入港(グリフィス)

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 その時、席を外していたのだろうハクインとリオガンが揃って入ってくる。そして丁寧に頭を下げた。 「報告、します。今日のところは、リッツにも、フランクリンにも特徴の合う、死体、はない、です」  まずはリオガンが伝える。それに場は僅かだが息を吐いた。 「こちらも報告です。証拠はありませんが、胴元が割れました。エニアス子爵が最近、非合法の商品を国内外に流しているという話が数件聞けました」  ハクインの報告にグリフィスはすぐにでも取りもどそうと立ち上がる。だがアルブレヒトは視線でそれを制し、ランバートも止めた。 「エニアス子爵は爵位こそ低いのですが、商人としての顔の方が立ちます。そのルートを使って流しているのでしょう」 「最近前にも増して羽振りのいい同業者が話を振ったところ、このような話が聞けたそうです」 「他に報告は?」 「明日、外海の商人も招いて船上パーティーを行うようです。ただそのパーティー、異様にセキュリティが厳しいそうです」 「怪しい、な」  ランバートの言葉に全員が頷く。船上パーティーという名目で、めぼしい子供を売るつもりか。  もしかしたらその中に、リッツも。     
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