363人が本棚に入れています
本棚に追加
/107ページ
リッツは思い出して体を離した。
「兄貴……兄貴も捕まってるんだ、助けないと! 俺より酷い怪我してるんだ!」
グリフィスに訴えると、彼はすぐに頷いてくれる。そしてランバートも連れて、リッツは船倉へと向かった。
船倉は静かなままだ。リッツはすぐにフランクリンのいる部屋を開ける。そしてそこに転がっているフランクリンへと駆け寄った。
「兄貴、助かったんだよ。もう、大丈夫だから」
目隠しをされているフランクリンからは大きな反応がない。それでも体は温かくて……熱い?
「兄貴? 兄貴、しっかり!」
「リッツかせ!」
ランバートが肩を掴んで前に出て、様子を見ている。その後ろで不安なまま、リッツは見守るしかない。止血だとかは出来るけれど、ここまでとなれば何もできない。不安な肩を、グリフィスがしっかりと抱いてくれた。
「綺麗に折れてないし、固定が足りてない。多分だけど、複雑骨折になってる。リッツ、どのくらいこの状態なんだ」
「七日以上、たってる……」
最初のコメントを投稿しよう!