オークション開始(リッツ)

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 リッツは思い出して体を離した。 「兄貴……兄貴も捕まってるんだ、助けないと! 俺より酷い怪我してるんだ!」  グリフィスに訴えると、彼はすぐに頷いてくれる。そしてランバートも連れて、リッツは船倉へと向かった。  船倉は静かなままだ。リッツはすぐにフランクリンのいる部屋を開ける。そしてそこに転がっているフランクリンへと駆け寄った。 「兄貴、助かったんだよ。もう、大丈夫だから」  目隠しをされているフランクリンからは大きな反応がない。それでも体は温かくて……熱い? 「兄貴? 兄貴、しっかり!」 「リッツかせ!」  ランバートが肩を掴んで前に出て、様子を見ている。その後ろで不安なまま、リッツは見守るしかない。止血だとかは出来るけれど、ここまでとなれば何もできない。不安な肩を、グリフィスがしっかりと抱いてくれた。 「綺麗に折れてないし、固定が足りてない。多分だけど、複雑骨折になってる。リッツ、どのくらいこの状態なんだ」 「七日以上、たってる……」     
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