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「さぁ、久美ちゃん…いっぱい食べてね。」
テーブルの上には、所狭しと料理が並べられていた。
「ありがとうございます。いただきます。」
「本当にありがとうね、久美ちゃん。
今日、お仕事は?」
「あ、今日は休みました。」
「まぁ…やっぱり…
璃子のために休んでくれたのね…
ありがとう、でも、次からは来れる時で良いからね。無理はしないでね。」
「いえ、無理なんてしてません。
私が来たくてしてることですから…」
「久美ちゃん…」
お母さんは、潤んだ瞳で私をみつめる。
「璃子は本当に幸せ者ね。
久美ちゃんみたいなお友達がいて…
亡くなってからも、こうして毎年来てくれるなんて…」
「璃子とは長い付き合いですし、今もとても大切な友達ですから。」
「ありがとう、久美ちゃん…」
そう…私と璃子は幼稚園の頃からの幼馴染。
私達は同じ年で、本当に仲が良くて…
『さくらんぼ』って呼ばれてたこともある。
体付きも顔つきも、小さな頃はよく似ていたし、それを面白がったのか、お母さん達が私達にお揃いの服を着せたり、同じ髪型にしたりしたものだから、まさに双子のさくらんぼみたいだったから。
それにちなんで、さくらんぼ柄のワンピースも作ってもらったっけ。
大きくなっても、私達の関係は何も変わらなかった。
気もあってたし、私達、前世で姉妹だったんじゃないかって言って二人で笑った。
思春期になって、周りの友達から彼氏が出来たなんて話を聞いても、少しも寂しくなんてなかった。
私達は、二人でいられればそれで幸せだったから。
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