親友

2/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「さぁ、久美ちゃん…いっぱい食べてね。」 テーブルの上には、所狭しと料理が並べられていた。 「ありがとうございます。いただきます。」 「本当にありがとうね、久美ちゃん。 今日、お仕事は?」 「あ、今日は休みました。」 「まぁ…やっぱり… 璃子のために休んでくれたのね… ありがとう、でも、次からは来れる時で良いからね。無理はしないでね。」 「いえ、無理なんてしてません。 私が来たくてしてることですから…」 「久美ちゃん…」 お母さんは、潤んだ瞳で私をみつめる。 「璃子は本当に幸せ者ね。 久美ちゃんみたいなお友達がいて… 亡くなってからも、こうして毎年来てくれるなんて…」 「璃子とは長い付き合いですし、今もとても大切な友達ですから。」 「ありがとう、久美ちゃん…」 そう…私と璃子は幼稚園の頃からの幼馴染。 私達は同じ年で、本当に仲が良くて… 『さくらんぼ』って呼ばれてたこともある。 体付きも顔つきも、小さな頃はよく似ていたし、それを面白がったのか、お母さん達が私達にお揃いの服を着せたり、同じ髪型にしたりしたものだから、まさに双子のさくらんぼみたいだったから。 それにちなんで、さくらんぼ柄のワンピースも作ってもらったっけ。 大きくなっても、私達の関係は何も変わらなかった。 気もあってたし、私達、前世で姉妹だったんじゃないかって言って二人で笑った。 思春期になって、周りの友達から彼氏が出来たなんて話を聞いても、少しも寂しくなんてなかった。 私達は、二人でいられればそれで幸せだったから。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!