キミとスキとチョコレート

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「もしかして、違う女の子たちにもらったバレンタインのお返しだと思ったの?」 「……はい」 「心外だな」 「え、」 「だって、俺が他の子からチョコ受け取ったと思ってるんだろ?」 「うん。だって、瑞穂くんは昔からモテるから」 きっと、このお返しの紙袋分のチョコをもらうくらいに瑞穂くんはモテる。いや、これ以上かもしれない。 それに、 「瑞穂くんが、嫌いにならないでなんて言うから……てっきり他の女の子からチョコ貰ったけどって意味だと思って……」 ガサリと瑞穂くんが紙袋を再び机の横に掛け直す。 私と瑞穂くんの前にできた壁がなくなった。 「座って」と言う瑞穂くんの言葉に私は腰を下ろす。 先ほどまでそわそわしていた瑞穂くんはどこかに行ってしまったようで、瑞穂くんはいつもと同じように強弱の少ない声音で私に問いかけてくる。 「このチョコレート見たときどう思ったの?」 「……言わない」 「教えてよ」 目の前でにこりと小さく笑いながら、じっと私を見つめる瑞穂くん。まるで取り調べみたいじゃないか。
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