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あるところに一人の天使がいました。天使は、もう二週間もマシュマロが出せていません。というのも、天使のマシュマロは貴重なので、天界では、トイレ以外の場所ですることが義務付けられているのです。この天使は恥ずかしがりなので、マシュマロを我慢してしまいがちで、結果、マシュマロ秘になってしまったのです。
マシュマロ秘になってしまった天使は、焦りました。マシュマロ秘は、食生活の乱れからなります。マシュマロ秘が続くと、自堕落な生活をしていると神様から見なされ、堕天させられてしまうのです。
「どうしよう……。神様にも、お腹、ぽっこりしてるの、バレちゃった……。今日中になんとかしないと、堕天だって……」
天使は泉を眺めながら、悲しげに呟きます。
「だけど、どうしたらいいっていうんだよ……。ご飯もちゃんと食べてるし、運動だってしてるのにぃ……」
そこに、一人の悪魔が通りかかりました。
「おい、何してんだ?」
「……悪魔」
天使は露骨に嫌な顔。
「何してんだって聞いてんだろ」
「なんでもないよっ」
悪魔が天使を見ると、そこには、膨れ上がったお腹。
(……そういえば、天使のマシュマロを食えば、悪魔も天使になれるらしいな)
悪魔は思い至り、一人、悪い顔。
「なぁ、俺様が、手伝ってやろうか」
「……悪魔が?」
何を企んでいる、と言いたげな天使に、悪魔は囁きました。
「出ねぇと、俺様たちの仲間入りだぜ?」
「……っ」
「それに、堕天したからって、マシュマロが出せるとは限らない。一生、出せないままかもな?」
「や、やだっ」
「なら、俺様に任せな。大丈夫、マシュマロ秘の解消方法には詳しいんだ」
「ほんと……?」
天使は、縋るような視線を悪魔に送りました。悪魔はしめたもの、とニヤニヤ笑い。
「まずは、マッサージしてやるよ」
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