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 梶さんとの打ち合わせの後、私は幼稚園まで春香を迎えに来た。 「あ、ママ!」  笑顔で駆け寄る春香を見て、私は癒される。  と同時に、驚いた。春香の手と顔に、絆創膏が貼られていたからだ。  よく見ると、小さいひっかき傷や擦り傷のようなものもある。 「どうしたの?」 「すいません、お母さん……」  春香の後から歩いてきた春香の担任、小春先生が私に頭を下げた。 「実は春香ちゃん、同じ組の康太くんと喧嘩をしてしまって……」 「そうなんですか?」    にわかには信じがたかった。春香は今までで一度だって友達と喧嘩をしたことなんてないのに。まして男の子と喧嘩なんて。  春香は何も言わずに私の腕にしがみつき、私の顔を見つめている。小春先生は声を潜めて続けた。 「康太君が、その……、春香ちゃんにお父さんがいないからと、からかってしまったらしくて」 「そんなことが……」 「それで春香ちゃんが怒ってしまって。いえ、もちろん当然のことなんですけれど、何ぶん、私が他の子の面倒を見ていた時でして……。本当に申し訳ございませんでした!」  先生は、再び頭を下げた。 「いえ、そんな。すいません。ご迷惑をおかけして……」     
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