2人が本棚に入れています
本棚に追加
いつもどおりの日常。学校からの帰り道。
目の前で楽しげにゆらゆら揺れる、ポニーテールを眺めた。
「ふふっ、美味しい!」
食い気がありまくりの様子に、こっそりため息をつく。
昔と変わらない、幼なじみという立ち位置。それを変えるべく告白したいのに、何もできない。
「なぁ食べながら歩くの、みっともないだろ」
「できたての熱々を食べたいんだもん!」
「同じクラスの女子で、同じことしてるヤツはいないって」
「文句を言うなら、ついて来なきゃいいでしょ」
アイツが足音を立てて歩くと、ポニーテールが左右に大きく揺れた。
(しょうがないな――)
急ぎ足で隣に並び、左腕を強引に掴んだ。
「何すんのよ」
「口の端に、ケチャップついてる。そんな顔を、道行く人に見せたい?」
「それは嫌」
腕を引っ張ってすぐ傍にある、公園のベンチに導いた。
最初のコメントを投稿しよう!