納骨

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 由香子は廊下の突き当りの引き戸の前に至った。  片足を引っ掛けて戸を開き、黄金の液体と固体をまき散らす場所に入った。  黒玉砂利の洗い出しの上に足袋のまま踏み込むと、しゃがみ込んで喪服の裾を裸脱(はだ)かせて膝をついた。  由香子は骨壺を隣に置いて便座の蓋を開けた。
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