出会い

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母親になった。 お母さんになった。 ママになった。 何て呼ばせよう、、(笑) なんとも言えない優越感と、青空を見上げ目をつぶり溢れてしまうニヤケ顔や微笑みが続いたのは3日間だけだった。 5日目の朝、病院から自宅に戻り彼をベビーベッドに寝かせ一応微笑んでみる。 無表情。 当たり前か、、、 ふうーっと1つため息をついてみたがつき終わる前にあのかん高い鳴き声が私の心臓の鼓動を少しずつ速くする。 何? 居心地悪い? 私の鼓動が確実に速くなっていくのを感じながら質問を続ける。 暑いの? 着せすぎたかな~ お腹すいた? あっ、ミルクか? おしっこさっき出たよね まさか、またうんちしたとか? 返事がない事は分かっているのに質問を畳み掛ける。 無反応。 ひたすら泣き叫ぶのみ。 抱っこしても泣き止まない。 オムツを開けてみるが濡れてない。 ベッドが気に入らない? 病院より寒いのかな、、、 暖房の設定温度、加湿器、空気清浄機、全てマニュアル通りなのに、、 真冬に新生児を育てるというのは電気代がかかり過ぎる。 1日中一定の室温を保ち加湿も欠かさない。もちろん数時間に1度窓を開けて換気もする。 なんでちょうどいい季節に産まれてきてくれなかったのだろう、、、 鳴き声をBGMに窓の外の遠くの方をぼんやり眺めてみるが、全然落ち着かない。 ふぅっ、投げやりにため息をつき彼の顔を覗き込む。 はいはい、おっぱいね。 ギャーギャーと顔を真っ赤にして声を枯らすまでに泣き叫ぶその声は、まるでこの世の終わりとでも言う様に激しい。 彼の口に私の右側乳首を押し込むとまるで何事もなかった様に穏やかな顔つきで激しく吸い付く。 すかさず時計を確認し5分間計り、次は左の乳首を押し込み5分間計る。 これを後1セット行う。 3時間置きの授乳はだいぶ辛い。 少し小さめに産まれた彼は、飲む力も吸い続ける力も弱い為まめに授乳をし、とにかく早く体重を増やさなければならない。 なんでもっとでっかくて丸々太った健康優良児に産まれてくれなかったのだろう、、、 と思いながらまたため息をつく。
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