接待 一次会

2/2
前へ
/9ページ
次へ
軟化ばかりか、そのうちセクハラまがいの発言をされるようになり、そのうちプレゼント攻撃まで始まってしまった。 大体、こういうタイプ程、権力に弱く、女好きで女を馬鹿にしている。 さて、どう対応したものかと思っているうちに、食事に誘われた。 誘われても、そこは大手企業の社長。二人きりではなく、秘書室ご一行様(ようは、社長はハーレム状態)と、高級松坂肉のすき焼きコースだった。 一応上司同行で・・と思い、課長を誘ったが度重なるクレームで胃を壊してしまっていた小心者の課長は、 、「いや、君が一人で行った方が社長も喜ぶよ」と視線を泳がせながら言った。 平社員が一人で「お呼ばれ接待」に行くなど聞いたことがないが、頼みの支店長も東京出張で不在の為、私一人での参加となった。 和室で、座卓の周りにずらりと並んだ秘書室の面々。 さすが、大手A社だけあってかなりの高レベル。 「競って華、負ければ泥」 という、故五社監督の映画の台詞が、字幕のように脳裏をよぎる 私はメンバリングを考慮し、一目でブランドとわかるものは自粛。 服装も、いつものスーツではなく、ツインニットにスカートというソフトカジュアルな服装での参加だったが彼女達の視線が、何気に私の靴やバック、ニットのロゴなどに視線が流れるのを感じる。 しかも、ハーレム状態にご機嫌の社長はリップサービス過剰。 私がお嬢様でどうのこうのと誉め殺しのような話(どこからそんな話が・・)を延々とされ、しらーーとした冷ややかな雰囲気が、私の頬を掠めていく…・・ 「時々、こうして内勤の女性においしいものを食べさせてね…」 という社長の台詞に、私はびきっときた。 たべさせてやる???ちがう、社長でなくただのヤクザなおっさんだったら誰が一緒に食事なんて…肉くらい、自腹で食べられるわよっ!!と、その場の女性全員が思ったはず。 その社長の一言で、私の本日のターゲットは決まった…・・
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加