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二次会は、個室でのカラオケだった。
皆がかわいいカクテルを注文している横で、私はつつつ・・と一番年長で「お局」らしき人(多分、私と同世代)の隣に座り、こっそり言った。
「冷酒を頼みたいんですけど、一本は無理なのでお付き合い頂けませんか?」
彼女が1次会で、遠慮しつつも熱燗を美味しそうに飲んでいるのを、私は見逃していなかった。
「そういう事でしたら、一緒にたのみましょう」という話になり、冷酒とお猪口がやってきた。
私は、社長、そしてお局様にお酌をしたあと、いきなりビール用のグラスをお局の彼女に差し出した。
戸惑いながらも、お局様は波波とグラスに冷酒を注いでくれた。
私はその場でいきなりそのグラスを一気に飲み干しして「一番!学園天国入ります!!!」と叫ぶと、勢い良く立ちあがった。
社長及び、秘書室ご一行様はあまりの出来事に唖然。
が、そこはノリのいい関西の女の子達。アップテンポの曲と、完全に「コイズミ」になりきった振り付けに、すぐに盛り上がる。
続けて入れていたのがピンクレディの「UFO」(出た~!!)
「さあ、ごいっしょに!」と、お局様を前のスペースに、引っ張り出す。
「え??そんなの…・・」といいながらも、イントロが流れると子供の頃に覚えた振りは、完全に条件反射。
「UFO」
いう振りと歌は、ぴったり会った。
(一同、大拍手。社長は、目をみひらいて固まっていた)
得意先の私と、お局様が砕けたことで、なし崩しにみんなが「素」に戻る。
気が付けば、ウインクからモーニング娘まで、全員で踊りまくっていた。
酔いが回って、その場に尻餅をつく子まで出て、カラオケルーム内は大騒ぎ。
熱気と、歌声と笑い声の中、完全に社長を無視した二次会は大盛り上がりで終了した。
その時には、「なんかむかつく女」は、「なんだ唯の酒飲みの芸人か~」になっていた。
帰りがけには、お局様が
「社長、今度○○さん(私の事)を苛めたら、女子社員全員を敵にまわしてしまいますよ」と、笑いながら言い、社長はつられたようにうなづいていた。
最後は、全員とハグハグして別れた。
しかも図々しい私は、まったくの反対方向だったのにもかかわらず、同じ○○道という理由で、社長の車で自宅まで送らせてしまった…・
(だって、踊りつかれたんだもん☆)
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