接待 二次会

2/2
前へ
/9ページ
次へ
二次会は、個室でのカラオケだった。 皆がかわいいカクテルを注文している横で、私はつつつ・・と一番年長で「お局」らしき人(多分、私と同世代)の隣に座り、こっそり言った。 「冷酒を頼みたいんですけど、一本は無理なのでお付き合い頂けませんか?」 彼女が1次会で、遠慮しつつも熱燗を美味しそうに飲んでいるのを、私は見逃していなかった。 「そういう事でしたら、一緒にたのみましょう」という話になり、冷酒とお猪口がやってきた。 私は、社長、そしてお局様にお酌をしたあと、いきなりビール用のグラスをお局の彼女に差し出した。 戸惑いながらも、お局様は波波とグラスに冷酒を注いでくれた。 私はその場でいきなりそのグラスを一気に飲み干しして「一番!学園天国入ります!!!」と叫ぶと、勢い良く立ちあがった。 社長及び、秘書室ご一行様はあまりの出来事に唖然。 が、そこはノリのいい関西の女の子達。アップテンポの曲と、完全に「コイズミ」になりきった振り付けに、すぐに盛り上がる。 続けて入れていたのがピンクレディの「UFO」(出た~!!) 「さあ、ごいっしょに!」と、お局様を前のスペースに、引っ張り出す。 「え??そんなの…・・」といいながらも、イントロが流れると子供の頃に覚えた振りは、完全に条件反射。 「UFO」 いう振りと歌は、ぴったり会った。 (一同、大拍手。社長は、目をみひらいて固まっていた) 得意先の私と、お局様が砕けたことで、なし崩しにみんなが「素」に戻る。 気が付けば、ウインクからモーニング娘まで、全員で踊りまくっていた。 酔いが回って、その場に尻餅をつく子まで出て、カラオケルーム内は大騒ぎ。 熱気と、歌声と笑い声の中、完全に社長を無視した二次会は大盛り上がりで終了した。 その時には、「なんかむかつく女」は、「なんだ唯の酒飲みの芸人か~」になっていた。 帰りがけには、お局様が 「社長、今度○○さん(私の事)を苛めたら、女子社員全員を敵にまわしてしまいますよ」と、笑いながら言い、社長はつられたようにうなづいていた。 最後は、全員とハグハグして別れた。 しかも図々しい私は、まったくの反対方向だったのにもかかわらず、同じ○○道という理由で、社長の車で自宅まで送らせてしまった…・ (だって、踊りつかれたんだもん☆)
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加