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「ヌコリン、なにをブツブツ言ってるプギ?」
バイクに乗ったチャーコがキョトンとしている。
「ハッ、自分の計画に陶酔していたニャ」
「ケイが行っちゃうプギ。早くうしろに乗って」
「それはいかん。追いかけるニャ」
ヌコリンはスチャとバイクに飛び乗った。
すかさずチャーコがバイクを発進させる。2匹はケイさんの車を追跡しはじめた。
「ところでチャーコ、免許もっているのか?」
「皆星町では仔豚が運転するのも日常茶飯事ブギ」
「うしろを向いて運転するニャ──!」
ビビりな悲鳴を撒き散らしながら、やがて2匹は目的地に到着した。
昼なお暗い朽ち果てた洋館。あたかもゾンビが徘徊しているみたいにバイオハザ〇ドな廃墟だった。
「ヌコリン、ここはなんなの?」
「ここは“メラーさんの館”だニャ。皆星山には昔、メンへラーの女性が隔離されていた洋館があったのニャ。その廃墟に足を踏み入れると、彼女の悪霊に襲われるという都市伝説があるのニャ」
「メラーさんの館……なんだか怖いブギ」
チャーコが鼻をわななかせるので、ヌコリンは肉球でヒゲを撫でながら教える。
「それはあくまでもケイさんを騙す仕掛けで、なんの変哲もない廃墟だから大丈夫ニャ」
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