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「あたち怖いの苦手ブギ」
チャコが尻尾を丸めていると、ケイさんの忍び笑いが聞こえてきた。
「しっかし、ここにチャーコとヌコリンは騙して連れてきたら腰抜かすぜ」
キシシと邪悪にほくそ笑んでいる。
「ケイ、あんなコト言ってるプギ」
「ドッキリで騙されるのはケイさんのほうだニャ。ほらチャーコ、ケイさんが館に入っていくニャ」
尻込みするチャーコのオケチュを押しながら、館に足を踏みいれていくケイさんのあとを追う。
すると、居間に置かれた黒電話のベルが鳴った。
ジリリン♪ ジリリン♪
ケイさんが受話器を取る。
「わたしメラーさん。今、あなたのうしろにいるの」
「わしはケイさんじゃ、間違い電話すんなクチョが!」
ガッチャンと受話器を叩きつけた。
ケイさんの背中を見送りながら、ヌコリンは眉根を寄せる。
「……わたあめ姫の仕掛けかニャ?」
「ヌ、ヌコリン、この電話の配線……」
チャコが震えるヒヅメで切断された電話線をつまんでいた。
「おニョニョ、どういうことニャ」
「ホンモノのお化け屋敷かもプギ……」
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