チャーコ&ヌコリンの探偵物語

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「い、いいかチャーコ。幽霊を見る原因は、シャルルボネ症候群という脳内幻覚ニャのだよ」  ヌコリンは震える声で言った。  その2匹の横を、キコキコと三輪車が通りすぎた。サドルには誰も乗っていないのに、無人で廊下を走っている。  それを見て凍りつく2匹。 「痛っ、だれだ三輪車をぶつけたのは?」  三輪車がケイさんの足にぶつかった。  そのケイさんの前方に、双子の姉妹が現れた。青いドレスで手をつないでいる。 「ハロー、ダンディ」 「わしはダンディじゃなくて、超絶口悪イケメン作家じゃ。お嬢ちゃんたち、こんな廃墟で遊んじゃダメだぜ」  姉妹の頭を撫でると、いなせにケイさんが歩み去った。 「あれも仕掛けかニャ?」 「ヌ、ヌコリン、あれあれ!」  ヒヅメで指差しながらチャーコが叫んだ。  突如として、双子の姉妹が血まみれの姿に変貌していたからだ。 「一緒に遊びましょう♪」  血まみれの姉妹が音もなく廊下を滑ってきた。 「ニャニャ!?」  ヌコリンはうまい棒みたいに尻尾を逆立てた。
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