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「やっぱ廃墟は危ねえな。まともに取材できなかったじゃねえか。でも、よい子は真似しちゃダメだぜ」
ケイさんが手ぐしで前髪を掻き上げると、颯爽と車で帰ってしまった。
瓦礫の中から2匹が這いずり出てくる。
「ケイさんの噂を忘れていたニャ」
「それはなにプギ?」
「都市伝説クラッシャーの異名で、全国の幽霊屋敷を破壊しているという噂だったニャ」
「それを早く言ってプギ~」
2匹は「もうケイさんを尾行しない」と心で誓った。
「ヌコリン、食べないのきゃ?」
チャーコが頬を膨らませながら訊いた。
ケイさんの誕生日パーティーのケーキを美味そうに食べているのだ。
それを怨めしそうに見るヌコリン。
「あんな目に遭って、とても食欲なんか湧かないニャ」
「恐怖とケーキは別腹プギ」
ヘンな名言でチャーコが返した。
「みんなー、重大発表があるぜー」
ケイさんがシャンパン片手に声をあげる。
「今度の新作は『都市伝説クラッシャーズ』だぜ。みんな読みやがれ!」
ヨロシクな、と超絶口悪イケメン作家が微笑んだ。
幽霊屋敷も都市伝説もケイさんには敵わない、とヌコリンは思ったとさ。
ハッピーバースデー、藤白圭さん(ΦωΦ)
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