チャーコ&ヌコリンの探偵物語

9/10
前へ
/10ページ
次へ
「やっぱ廃墟は危ねえな。まともに取材できなかったじゃねえか。でも、よい子は真似しちゃダメだぜ」  ケイさんが手ぐしで前髪を掻き上げると、颯爽と車で帰ってしまった。  瓦礫の中から2匹が這いずり出てくる。 「ケイさんの噂を忘れていたニャ」 「それはなにプギ?」 「都市伝説クラッシャーの異名で、全国の幽霊屋敷を破壊しているという噂だったニャ」 「それを早く言ってプギ~」  2匹は「もうケイさんを尾行しない」と心で誓った。 「ヌコリン、食べないのきゃ?」  チャーコが頬を膨らませながら訊いた。  ケイさんの誕生日パーティーのケーキを美味そうに食べているのだ。  それを怨めしそうに見るヌコリン。 「あんな目に遭って、とても食欲なんか湧かないニャ」 「恐怖とケーキは別腹プギ」  ヘンな名言でチャーコが返した。 「みんなー、重大発表があるぜー」  ケイさんがシャンパン片手に声をあげる。 「今度の新作は『都市伝説クラッシャーズ』だぜ。みんな読みやがれ!」  ヨロシクな、と超絶口悪イケメン作家が微笑んだ。  幽霊屋敷も都市伝説もケイさんには敵わない、とヌコリンは思ったとさ。  ハッピーバースデー、藤白圭さん(ΦωΦ)
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加