リョウタとプー

2/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
リョウタも4歳になり、駆け回り、よじ登り、這いずり回って、 そのまま力尽きて眠り込んでしまう様な、活発な男の子に育った。 少しずつ赤ちゃんっぽさが消えて、少年らしい表情を見せる様になっていた。 体重も増えて、家の中での行動範囲も増えた。 階段を駆け上がる。ソファに這い上がる。押し入れによじ登る。 その先々で電池が切れた様に眠り込んでしまう。 リョウタの声や、飛び跳ねたり、走り回る音が静かになると、 宝探しの様に家の中のリョウタを探した。 探し当てるのは、いつもプーだった。 プーは吠えることなくいつもスミレを呼びに来た。 起こさない様にそっと抱きかかえ、ベッドにリョウタを運ぶスミレの気持ちを知っていた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!