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川の代わりに、水たまりで洗濯をするということを思いついたんですね。
そこで、学校からの帰り、水たまりの前でランドセルを置き、ブラウス脱ぎ、水たまりでじゃぶじゃぶと洗濯を始めました。
えっ、ブラウス脱ぐの???
それもアスファルトの水たまりではなく、土の水たまりですよ。
でも、そんなことは気にしない小学校1年生の私。
もう、幸せでした。
念願の川で洗濯ができるのですから。(水たまりですけど……)
これが桃太郎のおばあさんがしていた、川で洗濯なのか!と大満足です。(水たまりですけど……)
思う存分、水たまりでブラウスを洗濯し、真っ白から真っ茶色に変色させたブラウスを手に持ち、上半身裸でルンルンしながらお家へ帰っていきました。
元気よく玄関を開け、開口一番
「お母さん、今日は制服を洗濯してきてあげたよ」
と、母の手伝いをしたと言わんばかりの得意げな顔で母に伝えた途端、返ってきた言葉は……。
「あんた、何してきたん?」
「桃太郎と一緒で、川で洗濯してきた」
「川じゃないじゃろ」
「うん。川がないけん、水たまりで洗濯した」
「じゃあ、水たまりで洗濯じゃろ。川じゃないじゃん!」
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