アッキーの家族

1/3
前へ
/88ページ
次へ

アッキーの家族

ある日、私はアッキーのお家に遊びに行っていた。 アッキーには、4才年上のお姉さんがいるそうだが、大学院に進んで考古学の研究をやっているそうだ。 毎日どこかの遺跡の発掘で土まみれになっている、と聞いた。 その日は、お母さんがいて。 小柄でショートカットでメガネを掛けた口うるさそうな感じ。 実際に何度かお邪魔するうちに、お母さんから「この子の姉は勉強ばっかりで、もう結婚は諦めてるから、早く孫の顔を見せて下さいね。水結姫さんも、もうそろそろ結婚して落ち着かなきゃね」なんて言い出した。 その時、ここの家に嫁に来るのは かなり危険だなーって思った。 後日、そのカンは間違ってなかったって確信するんだけど。 そして何度目かにアッキー宅にお邪魔した時に、アッキーが自分の母親の襟を掴み上げて、怒鳴りつけている場面を見てしまった。 「ババア、何言ってんだ。俺のする事にイチイチ口出してくんな。黙ってろ!!」 そのまま彼は、母親を畳の上に突き飛ばした。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

780人が本棚に入れています
本棚に追加