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終わりの始まり
彼が少しずつ狂っていく様子をすぐ側で見ていた私は、心底恐怖を覚えていた。
この先きっと私たちの行く末には破滅しかない。
私は本気で彼の元から逃げ出す事を計画しやっと実行した。
実家の親が心配するから、というコトを必死に説明して一旦、実家に帰らせてもらう許可をやっと彼から貰ったのだ。
私の両親には既に彼を紹介していたから、彼とて私があまりにも実家に顔を出さないと言う事が、2人の結婚にとって決して良くはない、という事は分かっていたから、渋々ながらも承知してくれた。
そして、実家に帰るとその足で荷物をまとめて、私は家を出たのだ。
行き先は東京。
あの大都会なら、女の一人くらい隠してくれるに違いない。
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